先日 大手既製服チェーン店から画期的商品の発表がありました
同色同柄で上衣は横ストレッチ素材の生地 ズボンは縦ストレッチ素材の生地を使用して「着心地」は抜群との発表でした
私共 オーダーメイドに携わるものからは一種異様な発表に映ります
ウールに勝る化学繊維は未だに発明されていませんが ウールの素材感は紳士服の価値を評価する上でかなりのウエイトを占めています
ウール素材の限られた伸縮率の範囲内で着心地(フィット感)を生む為には 採寸技術・縫製技術はもちろんお客様のお好みや体型の特徴を見極める経験が不可欠です
いわば「着心地の追求」は すべての技術の集大成であり お客様にご満足いただける最終目標です
不特定多数の消費者向けに生産される既製服メーカーの戦略とすれば 上衣横ストレッチ ズボン縦ストレッチ素材の開発は画期的かもしれませんが それは着心地と呼ぶべきものではなく ジャージスーツと呼ぶべき機能性の追及にしかすぎません
どのようなT.P.Oでも伝統ある紳士服としての威厳は保ちたいものです
MARUNIYAは「すべては fits you perfectly(素敵にフィットするあなたの一着を) のために」を掲げ邁進します
掲載日 : 2013年2月20日 (水)